シングルセル解析:
CyTOF®マスサイトメトリー
- 多数のパラメーターを用いたCyTOF解析のパイオニアであるSironaDx社が、CLIAレベルのサービスを提供
- 1細胞あたり最大50個の細胞外または細胞内タンパク質を同時に定量(糖鎖や脂質の標的も検出可能)
- 全血、PBMC、骨髄、滑液、単離細胞、解離組織などの細胞懸濁液の解析に使用可能
- 2018年以降、臨床試験を含め、お客様の研究プログラムを支援するためにCyTOF試験を実施
- インフォマティクス解析を含む強力な技術サポート
技術概要
マスサイトメトリー(Mass Cytometry)としても知られているCyTOFは、細胞懸濁液中の1細胞から最大50種類のタンパク質を検出できる特殊な質量分析技術です。上図は、CyTOF解析工程を示しています。 1. 抗体パネルの各抗体は、識別可能な金属同位体が結合しています。これにより、蛍光標識で見られる波長のオーバーラップの問題を回避できます。 2. 透過処理した細胞を、目的の細胞外および細胞内マーカーに結合する抗体とともにインキュベートします。 3. 細胞は、シングルセルの液滴として5,000 ℃以上のアルゴンプラズマに噴霧されます。これにより、各細胞が気化し、結合した金属同位体がイオン化されます。 4. 各細胞のイオン化された金属同位体はCyTOFにより定量化されます。細胞内で測定された各金属同位体の量は、最初に発現した標的タンパク質量と相関します。 5. 得られたデータを解析し、情報を引き出して意味づけをします。Sirona Dx社では、CyTOF解析にHeliosTMマスサイトメーター及びMaxPar®試薬 (Fluidigm社製) を使用しています。
末梢血単核細胞(PBMC)の解析:健常人8名由来のPBMCの一部をBCR / FcR-XLで刺激して、8つの非刺激サンプルならびに8つの刺激サンプルを調製しました。 これら16種のPBMCサンプルを、細胞系譜とリン酸化機能マーカーを含む24種類の抗体パネルを使用してCyTOF®により解析しました。
A:解析された24種類の標的分子リスト。
B:各サンプルからランダムに選択された2,000個の細胞を用い細胞系譜マーカーの発現に基づいて、tSNE分析を行ったところ、20種類の異なる細胞集団が同定されました。
C:8人の全てのドナーにおいて、刺激されたPBMCと刺激されていないPBMCの間で発現に有意差をもつ各細胞種における機能マーカー。 このデータから、CyTOFにより豊富なデータセットが取得でき、生物学的な意味付けを考察できるとわかります。
340を超えるタンパク質に対する既存のCyTOF用抗体が利用可能です。これらの抗体とパネルは、CyTOFへの特異性と互換性について検証されています。 個々の抗体は任意の組み合わせで選択できます。カスタムでCyTOF用抗体及びパネルを作製することも可能です。詳しくはお問い合わせください。
委託研究サービス
Sirona Dx社の経験豊富な研究者は、CLIA認定施設でCyTOFの委託解析サービスを実施しています。 本サービスには、試験計画、(必要な場合は)カスタム抗体の作製と検証、パネル開発と最適化、データ処理、およびお客様の生物学的なご要望に回答するための解析が含まれます。 終了時には、お客様には、報告書ならびに、必要に応じて生データをお渡しいたします。 詳細につきましては、当社までお問い合わせください。
文献
細胞懸濁液を解析するためのCyTOFの使用が十分に確立されており、様々な研究分野で1,000を超える文献が出版されています:免疫腫瘍学、腫瘍学、バイオマーカー、免疫学、免疫表現型解析、感染症、神経学、幹細胞などです。以下は最近の代表的な文献リストです。
CyTOF®の代表的な論文 | |||
発表年 | 研究分野 | 詳細 | |
2021 | 免疫腫瘍学 | Phase 1 trial of N-803, an IL-15 receptor agonist, with rituximab in patients with indolent non-Hodgkin lymphoma. Foltz et al. Clin Cancer Res. 2021 Jun 15;27(12): 3339-3350: DOI: 10.1158/1078-0432.CCR-20-4575 | 閲覧 |
2021 | 腫瘍学 | Single-cell atlas reveals complexity of the immunosuppressive microenvironment of initial and recurrent glioblastoma. Fu et al. Frontiers in Immunology (2021). doi.org/10.3389/fimmu.2020.00835 | 閲覧 |
2020 | バイオマーカー | Single-cell peripheral immunoprofiling of Alzheimer’s and Parkinson’s diseases. Phongpreechaeta et al. Science Advances 2020 Nov 25;6(48) | 閲覧 |
2021 | 免疫学 | Single-cell analysis by mass cytometry reveals metabolic states of early-activated CD8+ T cells during the primary immune response. Levine et al. D.M. Immunity 2021 Apr 13;54(4):829-844.e5.. | 閲覧 |
2021 | 免疫表現型解析 | Profiling of the human natural killer cell receptor-ligand repertoire Vendrame et al. Journal of Visualized Experiments (2021): doi: 10.3791/61912 |
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2021 | 感染症 | Characterization of pre-existing and induced SARS-CoV-2-specific CD8+ T cells. Schulien et. al Nature Medicine (2021): 78–85 | 閲覧 |
2019 | 神経学 | Mapping microglia states in the human brain through the integration of high-dimensional techniques. Sankowski et al. Nature Neuroscience (2019): 2, 098-2, 110 | 閲覧 |
2021 | 幹細胞 | Maturation and phenotypic heterogeneity of human CD4+ regulatory T cells from birth to adulthood and after allogeneic stem cell transplantation.Matos et al. Frontiers in Immunology 18th January 2021. | 閲覧 |